STORY|滝田雄依 – 岩手 (切り絵)

切り絵作品を制作されている滝田雄依さん。

滝田さんを訪ね、一路岩手県盛岡市へ。

滝田さんに出会うまで、「切り絵」そのものにあまり馴染みがなかった私。

切り絵と聞いて頭に思い浮かぶのは、細かいレースのような繊細ものでした。

そんな中、初めて滝田さんの作品に出会った時のことを、

今でも鮮明に覚えています。

なぜなら、私が知る切り絵とは少し様子が違ったから。

滝田さんに見せていただいた切り絵のピースたち。

「果樹」

一見、絵のようにも型染めのようにも見える。

でも、じーっとよく見ると、紙の重なりが分かります。

そこで初めて、切り絵と認識するのです。

所謂、一般的な切り絵は、下紙の色を透かして

細かい模様を浮かび上がらせることが多いと思いますが、

滝田さんの切り絵は、台紙となる紙の上に切り出したモチーフを配置することで作られます。

滝田さんが生み出す作品は、抽象的。

何なのかはっきりは分からないけれど、

作品のタイトルを見るとなんとなく腑に落ちる。

見る者の想像力を膨らませてくれるいい意味での曖昧さを感じます。

 「木質化」

偶発的に生まれるモチーフを組み合わせて作品作りをするのが楽しいという滝田さん。

その作品は、どこか優しく温かい。

そして、力強さも感じます。

穏やかだけれど、奥に秘めた情熱を持った

ご本人のお人柄と心を写しているようです。

滝田さんのは額に入れることで、よりその存在が引き立ちます。

アートとして飾る、新しい切り絵の楽しみ方を教えてもらいました。

眺めれば心を癒し、側に置けばきっと力になってくれるはず。

滝田さんのこれからのご活動もとても楽しみです。